糸リフトの施術原理と効果を最大にするための方法を美容ドクターが解説
- 1. 糸リフトとは下垂した組織の位置を元に戻す施術
- 1.1. 現実映えを目指すココンベルの「おまかせ糸リフト」
- 2. 糸リフトの3つの美容効果とメカニズム
- 2.1. 1.物理的な引き上げによるたるみ・もたつきの改善
- 2.2. 2.コラーゲン増生による長期的な肌質改善
- 2.3. 3.糸の吸収過程と組織反応によるタイトニング作用
- 3. 糸リフトで良い効果を得るために大切な4つのポイント
- 3.1. ①経験や技術力の豊富な医師のもと施術をおこなう
- 3.2. ②目的に合わせた糸の種類・本数を選択する
- 3.2.1. 糸リフトに使用される素材と特徴
- 3.2.2. 糸リフトの種類・形状と特徴
- 3.3. ③糸リフトで期待できる効果の程度を理解する
- 3.4. ④糸リフト単体ではなく適切に施術を組み合わせる
- 3.4.1. 【糸リフト複合治療の症例①】糸リフト×ボトックスリフトでバランスよく美人見え
- 3.4.2. 【糸リフト複合治療の症例②】糸リフトにボトックスと肌育治療も組み合わせて自然なリフト&タイト
- 4. 糸リフトのメリット・デメリット
- 4.1. 糸リフトのメリット
- 4.2. 糸リフトのデメリット
- 5. 糸リフト施術の基本事項
- 5.1. 糸リフトの基本的な施術の流れ
- 5.1.1. 洗顔・消毒
- 5.1.2. デザイン・マーキング
- 5.1.3. 局所麻酔
- 5.1.4. 糸の挿入
- 5.1.5. 調整
- 5.1.6. 切断・固定
- 5.1.7. 消毒・冷却
- 5.2. 糸リフトの注意事項・アフターケア
- 5.3. 当院の糸リフトの価格
- 6. 糸リフトのよくある質問
この記事では糸リフトのメカニズムや糸の種類、メリット・デメリットについてココンベルクリニック院長の山本しおり医師が詳しく解説します。
糸リフトとは下垂した組織の位置を元に戻す施術

糸リフトとは、突起(コグ)や返しのついた特殊形状の医療糸を皮下に挿入し、物理的に組織を引き上げる低侵襲性のたるみ改善施術です。外科手術による従来のフェイスリフトと異なり、短いダウンタイムで若々しいフェイスラインを目指せる施術として注目を集めています。
加齢とともにフェイスラインがもたつき「輪郭が四角くなった」「顔が大きくなった」と感じる方は少なくありません。これらの”たるみ症状”はコラーゲンの減少だけでなく、皮膚を支えるリガメントや脂肪の肥大および減少、筋膜の衰え、骨の減少など、皮膚全体の加齢症状が原因とされています。
糸リフトは、下垂した組織の位置を元に戻すだけでなく、コラーゲン増生による美肌作用や、たるみ予防効果があることも特長といえます。
現実映えを目指すココンベルの「おまかせ糸リフト」
当院が追求する糸リフトは”自然美”を理想としています。不自然に引き上がった仕上がりではなく、お顔全体のバランスが取れた「現実映え」する美しさを目指します。
当院の「おまかせ糸リフト」は、フルハーモナイズ(調和)を意識したバランスの良い引き上げデザインにより、どの角度から見ても美しい仕上がりを実現する当院独自のメソッドに基づいた糸リフトプランです。
たるみの引き上げはもちろん、ハリやツヤがある”老けにくい肌の土台”を作り出します。患者さま本来の美しさを最大化するために、当院ではさまざまなタイプの糸リフトや組み合わせ施術をご用意しております。
糸リフトの3つの美容効果とメカニズム
1.物理的な引き上げによるたるみ・もたつきの改善
糸リフトの大きな特長ともいえる即時的なリフトアップ効果は、物理的な組織の引き上げ作用によって実現します。中でも返しやコグ(突起)付きの糸は、皮下に挿入すると返しやコグ部分が周囲の組織にしっかりと固定され、たるんだ皮膚を効果的に掴み引き上げます。
施術においては医師が顔面解剖学の観点から、たるみに最も効果的な糸挿入角度と適切な牽引で糸を固定します。これにより、加齢とともに下垂した組織を本来あるべき位置に戻し、すっきりと若々しいフェイスラインを目指すことができます。
2.コラーゲン増生による長期的な肌質改善
糸リフトがもたらすもう一つの効果に「コラーゲン増生作用」が挙げられます。糸リフトは安全性の高い医療素材である一方、組織にとっては異物です。異物である糸リフトの周囲には線維芽細胞が集まり、コラーゲンを分泌する生体反応が起こります。
コラーゲン分泌は糸挿入後に数ヶ月かけて現れ、糸リフトが体内に吸収された後も長期的にコラーゲン増生が続くとされています。そのため糸リフトの物理的なリフトアップ効果が衰えたとしても、コラーゲン増生により長期的な肌質改善を目指すことができます。
3.糸の吸収過程と組織反応によるタイトニング作用
当院の糸リフトはすべて安全性の高い体内吸収タイプです。吸収性の糸は時間とともに体内で分解され、最終的には水と二酸化炭素に変わって排出されます。吸収速度は糸の種類により異なり、PDO素材は約6ヶ月〜1年、PCLやPLA素材は約1〜2年かけて吸収されます。
糸リフトで良い効果を得るために大切な4つのポイント
①経験や技術力の豊富な医師のもと施術をおこなう
糸リフトは低侵襲性の美容医療ですが、自然で美しい仕上がりのためには、豊富な臨床経験と高い医療技術、患者さまの顔立ちに合わせた繊細な調節が求められます。
しおり院長は、解剖学的な観点から患者さまのフェイスラインや表情筋の動きを見極め、調和のとれた糸リフト施術にこだわっています。左右バランス・目鼻立ちを活かしたリフティングデザインは画像加工に頼らない「現実映え」を目指すことが可能です。
②目的に合わせた糸の種類・本数を選択する
糸リフトに使用される糸は非常に多くの種類があります。少ない本数でより高い効果を実現するためには、さまざまな素材・長さ・形状・メーカーの中から、患者さまのお悩みや肌質に合った糸の種類と本数を選択する必要があります。
当院が導入する糸はいずれも、しおり院長自らが施術を受け、安全性や仕上がりを確認しております。施術中や直後の痛み、ダウンタイムなど偽りのない糸リフト体験談をお伝えいたします。
また当院ではマニュアル通り、決まった通りの施術はおこないません。患者さまのご希望を丁寧にカウンセリングし、お顔立ちやたるみ症状に最適な糸を使い分け、オーダーメイドの糸リフト施術をおこないます。
糸リフトに使用される素材と特徴
糸リフトの種類・形状と特徴
③糸リフトで期待できる効果の程度を理解する
糸リフトは劇的な変化をもたらす施術ではなく”下垂した組織を元の位置に戻す”施術です。大幅な脂肪減少や余分な皮膚の除去、著しいリフトアップ効果を求めることはできません。
また、糸リフトによるリフトアップ効果を維持するためには、定期的な糸リフトや他の施術の継続が必要です。また、リフトアップ効果の現れ方や、持続期間は個人によって大きく異なります。当院では患者さまのたるみ症状を丁寧に診察したうえで、糸リフトで「できること・できないこと」を事前にしっかり説明いたします。
④糸リフト単体ではなく適切に施術を組み合わせる
糸リフトはいわば線で引き上げるリフトアップです。皮膚の状態や脂肪量により、糸だけでは理想の仕上がりとならないケースも少なくありません。当院では患者さまのたるみ症状を見極め、照射施術やヒアルロン酸注入などを組み合わせたアプローチを推奨しております。
とくにお顔の脂肪が多い場合、脂肪のボリュームピークが頬骨あたりに集まることでお顔が大きく見えてしまう「ひし形フェイス」となるリスクが挙げられます。「ひし形フェイス」を防ぐためには、事前に脂肪溶解注射やデンシティなどで余分な脂肪の除去・タイトニングをおこなうことが大切です。その後、しおり院長独自メソッドの糸挿入法により、なめらかなフェイスラインへと仕上げることができます。
【糸リフト複合治療の症例①】糸リフト×ボトックスリフトでバランスよく美人見え
顔フル糸リフトの症例です。お顔全体に治療することでパーツの年齢感が合い、より自然にバランスが整って若々しい「美人見え」が実現しています。
お顔全体に糸を入れ、またボトックスリフトも組み合わせるため少し予算が上がりますが、満足度が高い治療のコンビネーションといえます。
Before | After(2週間後) |
【糸リフト複合治療の症例②】糸リフトにボトックスと肌育治療も組み合わせて自然なリフト&タイト
定期的に糸リフトをしているが、輪郭の崩れが気になって来院された方の症例です。可愛らしい丸顔のお顔立ちに合うようにオーダーデザインし、単にリフトアップするだけでなく、この患者さまの魅力がより増した印象に仕上がりました。
また、今までの糸リフト施術では痛みを強く感じていたとのことでしたが、今回はLDMを併用したことで、かなり痛みは軽減されたようです。
Before | After(1ヵ月後) |
糸リフトのメリット・デメリット
糸リフト施術の基本事項
糸リフトの施術時間は、使用する糸の種類や本数などによって異なりますが、一般的には局所麻酔を含めて30分〜1時間程度となり、日帰り施術が可能です。
糸リフトの基本的な施術の流れ
洗顔・消毒
施術部位を清潔にします。
デザイン・マーキング
医師が糸を挿入する位置や方向を決め、マーキングをおこないます。
局所麻酔
施術中の痛みを軽減するために局所麻酔をおこないます。
糸の挿入
専用の針(カニューレ)を使って糸を皮下に挿入します。
調整
糸を適切な強さで引き上げ、左右のバランスを整えます。
切断・固定
余分な糸を切断し、挿入部を固定します。
消毒・冷却
施術部位を消毒し、腫れを抑えるために冷却します。
糸リフトの注意事項・アフターケア
効果発現までの期間 | 即時的な効果あり(物理的なリフトアップ)コラーゲン誘発効果は1〜2ヶ月かけて徐々に現れる |
効果の持続期間 | PDO糸:6ヶ月〜1年PCL糸:1〜2年PLA/PDLLA糸:1〜2年※個人差あり |
施術にかかる時間 | 30分〜1時間程度 |
麻酔の有無 | あり(局所麻酔) |
副作用・リスク | 内出血、腫れ、痛み、違和感、左右差まれに感染、糸の露出、アレルギー反応 |
ダウンタイム | フローティングタイプ:数日〜1週間程度フィックスドタイプ:1〜2週間程度 |
洗顔・入浴・メイク | 洗顔:施術当日は避け、翌日から優しく洗顔入浴:当日はシャワーのみ、翌日から可能メイク:当日は避け、翌日から可能(医師の指示に従う) |
注意事項 | ・施術後1週間は激しい運動を避ける・顔を強く擦らない・施術部位を強く押さない・過度の表情筋の動きを控える・紫外線対策を徹底する |
禁忌 | ・妊娠中・授乳中の方・重度の糖尿病患者・血液凝固異常がある方・自己免疫疾患がある方・感染症や炎症がある方・ケロイド体質の方 |
当院の糸リフトの価格
PDO | |
8本 | 141,600円 |
10本 | 177,000円 |
12本 | 212,400円 |
追加1本 | 17,700円 |
PCL+PLLA | |
8本 | 184,000円 |
10本 | 230,000円 |
12本 | 276,000円 |
追加1本 | 23,000円 |
PCL | |
8本 | 240,000円 |
10本 | 300,000円 |
12本 | 360,000円 |
追加1本 | 30,000円 |
オージーリフト | |
中顔面 | 195,000円 |
オプション | |
菱形予防リフト | 55,000円 |
糸リフトのよくある質問
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糸リフト施術に痛みはありますか?
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当院では施術中の痛みを最小限に抑えるため、局所麻酔は細いカニューレで撒く工夫をし、笑気麻酔も併用しております。また、ご希望の方にはLDMという治療を併用することで、さらなる痛みの軽減も可能です。
施術後は軽度の痛みや違和感を感じることがありますが、通常は数日で消失します。
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日常生活への影響はどの程度ですか?
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施術当日から通常の生活は可能ですが、1週間程度は激しい運動や表情の過度な動き、顔を強く押すことなどは避けてください。
歯科治療をされる場合、デザインにもよりますが、2~4週間空けてからの治療をお勧めしております。
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効果はいつから実感できますか?
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物理的なリフトアップ効果は施術直後から実感できますが、施術後3週間程度経過すると効果のピークを迎え、一番満足度が高い状態になることが多いです。
コラーゲン生成による肌質改善効果は1〜2ヶ月かけて徐々に現れていきます。
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他の施術と併用できますか?
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可能です。糸リフトと他の施術を組み合わせることでより高い効果を期待することができます。当院は一人ひとりのお悩みに合わせた組み合わせ治療を得意とするクリニックです。
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再施術(施術の間隔)はいつごろ必要になりますか?
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効果の持続期間は糸の種類や個人により異なりますが、6ヶ月〜2年程度で再施術を検討される方が多いです。ご希望の方は、施術時に次回の施術目安やお見積もりをお渡しさせていただきます。